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DX=Digital Transformation Radio インサイト(気づき)

DX戦略を、思い切って最初は180度 真逆から考えてみては?

皆さま、こんにちは!
ブルーウッズ・ストラテジック・アソシエイツ
代表の塩谷です。

前回は、

「日本企業はDXを我が社もやらなきゃ!という強迫観念に駆られてDX戦略に取り組んでいないか?」

でした。

さて、今回は

「DX戦略を、思い切って最初は180度真逆から考えてみては?」

と思い切ったことについてお話してみたいと思います!

では、始めましょう!

DX戦略の進め方については世の中多くのイベント、セミナーが開催されて、その道のエキスパートの方々によって語られていますよね。

この人たちが全員集まって日本企業の数社を担当すればDX戦略が成功すること間違いないのになぁと真剣に思います。

しかし、このエキスパートの方々が全ての企業のDX戦略を支援するなどは到底無理な話です。

やはり、多くの中小企業、特に地方の中小企業の方々については自力でDX戦略を考えないとなりません。

「うちは、大手じゃないからなぁ、社員数も少ないし、DX?なんて必要ない」

「うちにはデジタル人材なんて採用出来ないよ。地元にもいないしね。みんな若手は東京に行っちゃうよ。」

先日、東北地方の某企業経営者の方々から聞いた言葉です。

       この思考は完全にアウトです! 

と、忖度なく言ってしまうといけませんね。すみません!

普通に考えてみて欲しいのですが、世の中のほとんどの企業はデジタルの道具を利用して業務が行われています。

先日訪問させて頂いた東北地方の酒蔵様でも何百年の歴史はあるもののデジタルを今後は活用していかないと後継者探しが困ると言っていました。

その酒蔵様の場合には、お酒を造る工程にデジタルを活用したいというご相談でした。でもどこから始めたらいいか分からないと。

大手企業でDXをご検討されている方も、中小事業でDXをご検討されている方も、

「あー、DX検討に行き詰まったなぁ、どう突破したらいいかな?」

と思われたことありませんか? 国内外の大手ITベンダーに声をかけて「DXの事例を幾つか持ってきてください」と連絡されたことがある方も読者の中にはいらっしゃるかもしれませんね。

その時に、持ってきてくれた事例を聞いてどう思いましたか?

例えば。。。あるITベンダーから海外の事例を持って来てこんな事例を説明したとしてます。。

「弊社のDX事例としましては、北欧の漁業において事例がございます。弊社のAI技術を活用したエッジAIのセンサーをはえ縄に取り付け、ソナーによる魚群探知に加えて、より海の中の状況を正確に漁船側で把握することで、はえ縄の高さを変えたり、漁船の位置を適切に移動させ漁獲の精度を高めるための漁業のDX戦略のご支援をさせて頂いております。その技術ですが。。。」

と、自社の優位性を延々と説明し始めます。事例紹介依頼をした企業が漁業とは全く関係ない企業であっても。。。

海外の複数の某ITベンダーで働いたことがある私としては、ベンダー側の営業担当者の気持ちは痛いほど分かります。

なぜなら、日本のDX戦略は海外に比べれば三周以上遅れていて国内のDX事例が豊富にないので、海外本社から事例を集めてくるという行動を取るしかありません。海外のDX事例の方がキラキラしていますから。

一方、事例紹介を依頼した側からすれば「なんかとっかかりのヒントを得られるんじゃないか?」「自社のDX戦略のテンプレートが得られるんじゃないか?」そんな淡い期待を持っているかもしれません。

結論から言うと、そんな旨い話はありません!
※自戒の念も込めて申します。。。

示された事例に出てくる企業のDX戦略ストーリって経営者の意思決定力、企業文化、DX担当社員のスキル、ヒト・モノ・カネ、DX戦略プロジェクトに絡む外部パートナー企業とのチーム体制などなど、事例紹介資料には書かれていない要素があるからこそ出来ています。この書かれていない要素こそが大事なんですけどね。こういう情報は本当に資料には書かれていませんよね。

それを意識せずに提示されたDX事例をみて「なんか、うちも出来そうだ!」と思われる方はいないとは思いますが、失敗する可能性大です。

確かに、業界問わず、大手企業、中小企業問わず、共通してデジタル化した方が良い領域はあります。しかし、全く同じ結果を得られるかと言うとそうはなりません!!

だって、同じヒト・モノ・カネを持っているわけではないし、経営者の意思決定の際の判断基準も違います。

モデルさんの着ているお洒落な洋服と、持っているアイテムまで同じものを購入しても「あれ?なんか違うなぁ」となるとの同じです。※個人的には、そうじゃない人もいるので悔しい時がありますがw

そうなのです! 企業にも個性があるので、その個性に合ったDX戦略が必要なのですから、最初に自分達で考えるのことが一番大事なんです!!

だって、自分の会社のDX戦略検討課題なのですから、自分達で最初に課題解決に向けて考えることは当然ですよね? 最初から外部に任せてどうするの?って思いませんか?

ここまでの前振りにお付き合いくださいまして有難うございます!! 

そこで、私がデジタル人材を確保できない地方の中小企業の皆様に、DX戦略を検討する際のキッカケづくりとして、最初に自分達で下記の事をやって頂いています。

「現状と180度真逆からDX戦略を考えてみてください」

これだけです。

やり方はシンプルですが、一つだけ制約があります。

「実際に出来る出来ないは脇に置いて考えること」

具体的には、以下の様にDX戦略アイディアをどんどん挙げて行きます。その際に、現状と真逆に考えます。

現状=リアル
真逆=デジタル化

と理解してください。そして、以下の様にどんどん挙げて行きます。

  • 店舗販売業 → 無店舗で販売するにはデジタルをどう活用すればいいか? ※無人店舗ではないですよ、無店舗ですよ!
  • 営業が訪問 → 営業が一切訪問しないで、人を介さないで営業するにはデジタルをどう活用すればいいか?
  • 飲食店 → 注文受けから調理、料理運びまでデジタルを活用して一切人を介さないで楽しんでもらうにはどうしたらいいか?
  • 学習塾 → 教室に集合することなく、人間の講師も一切持たないで塾を経営するには、どのようにデジタルを活用すれば良いのか?
  • ごみ収集業 → 人的要員を全く使わずに、各担当エリアのごみ回収するために、どのようにデジタルを活用すれば良いのか?
  • 自動車ディーラー → 人的要員の全く介さないで車の営業を行うために、どのようにデジタルを活用すればいいのか? ※ホンダが始めましたね。
  • 社内業務 → 総務部門ぼ業務を全て自動化するためにはは、どのようにデジタルを活用すればいいのか?
  • 日常の買い物 → ネットスーパーで毎回注文することもなく、しかも配達時間の間待つことなくするために、デジタルをどう活用すればいいのか?※これ家電メーカー、建物ディベロッパー、小売店連携がヒント!
  • 乳幼児を持つ両親 → 赤ちゃんの泣きごえやおむつの状態を感知し知らせ、ミルクを自動的に適温で作ってくれるためには、デジタルをどう活用すればいいのか?

他にもいろいろある思います。これをワイワイガヤガヤしながら、とにかく固定観念を脇のいて、実現できる出来ない関係なし、どんどん挙げていくのがコツです。これがなかなか出来ない日本企業多いです!

ちなみに、海外の方と実際に行ってみたところ沢山のアイディアが出てきました。やはり、ディスカッションやブレーンストーミングなどへの慣れの違いでしょう。。。

次に、沢山出てきたアイディアから幾つかを選択して具体的検討に入ります。この時に大事なポイントがあります。

「デジタルとリアルのバランスを意識する」

です。

現実的な問題として、出てきたDXアイディアの中で完全にデジタル活用だけで実現できるアイディアは少ないでしょう。何かしらリアル(現実的)に対応が必要が領域が出てきます。

そこで。。。

「180度真逆=完全DX化から、少しずつリアルに近づけていく」

0度=リアル(現状)、180度=完全デジタル化と定義して、少しずつリアルな方向に寄せて行きます。

要は、デジタルとリアルのバランスを取っていきます。この時の取り組みの方向性があります。

「リアル(現状)のプロセスの可視化とデジタル化した場合のプロセスの可視化を行う」

必ず、人は何かを行う時には動機がありプロセスが存在しますよね。生まれたての赤ちゃんがいるご両親の場合、3時間置きの授乳とか、おむつ交換などのプロセスがあります。

なので、まずは、リアルのプロセスとデジタルのプロセスの可視化を行い、二つを上下に並べてどこのプロセスをデジタル化すればお母さんが短い時間でも安心して睡眠が取れるのか?皆で、可視化された二つのプロセスを見ながら議論していきます。

注意点がありますが、これをやり始めるとなぜか段々と180度真逆に振ったデジタル化のアイディアが出ていたのに、気が付くとリアル(現状)とあまり変わらないという状況になる場合が見受けられます

私がコーチ型コンサルティングでミーティングに参加させて頂く場合には、最初に課題に取り組んで頂いた後、一緒に伴走型で議論をリードしますが、これを読まれてご自身で取り組まれる場合には、

時々、リアル(現状)と変わらないという状況になっていないか振り返ってください。

DX戦略は「リアル」と「バランス」が大事です!! それによって生み出される価値が変わってきます

是非、日本から世界に展開されるDXが生まれたらと思います! 私としては地方から海外に広がっていくDX戦略がどんどん生まれて欲しいと思っています!

DXは都市圏企業だけが取り組む話ではないのです。

では、今回もここまでお読み頂きまして有難うございました!

音声配信も開始しましたので、お時間ある時にでも下記のリンクからアクセス頂きお聴き頂ければ嬉しいです!
二回目からはガチガチ間が無くなってます!

音声配信:
BLUEWOODS STRATEGIC ASSOCIATES RADIO

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